父に相続の話しをどんな風に切り出せばいいのか、悩んでいませんか?

親に相続の話を切り出すのって難しいと思っていませんか?

タイミングってあるんでしょうか?

あるともいえるし、無いとも言えます。

相続のプロならもっとしっかりと答えてよ、なんて声が聞こえてきそうです。

でも本当に100人いれば100通りなので一概にこうだ、とは言い切れません。

なんでもすぐに答えを引き出そうとするとどこかで無理が生じます。

だから一般的な話をしますね。

日本人の場合、死亡される場所は約7割が病院です。

これは世界的に見ると高い確率なんです。

介護や福祉の先進国では、病院で最後を迎える人は4割~6割だといわれています。

(出典:医療経済研究機構の報告書より)

そのことの是非はここでは問いません。

高齢になると、どこか身体の具合が悪くなったり、病気になる可能性が高くなります。

その時点で入院なんてことになると、すぐに亡くならなくても親子とも相続のことを気にかけることになります。

このタイミングであなたが親に相続の話を切り出すのは注意が必要です。

プライドの高いお父さんなら、たとえ親自身が気になっていたとしても、つい「私の身体よりも財産の方が気になっているのか」という気持ちが湧いて、ギクシャクしてしまうかもしれません。

逆に、余命宣告されるほどの重篤な症状なら、親の方から相続の話が持ち出されるケースがよくあります。

ただその場合、症状の重さや、残された時間の問題で、ご家族全員の納得のいく分け方ができない場合も出てきます。

それは、分けにくい財産の代表として不動産をどうするのか?誰に残し、その代償はどうするのか?

預貯金が少なく納税資金が足りないこともあります(余裕があれば、いくつかの対策が考えられたのに)。

一次相続と二次相続について考慮する時間的余裕もありません。

複数の兄弟がいたらそれぞれの思いや考えは一致していることの方が珍しいです。

何が言いたいかというと

相続対策は、複雑な問題が絡み合っていることもあり、簡単には終わらないケースがほとんどだということです。

だから、相続のことを考えようと思われたとしても、多くの場合に何から手をつけたらいいか分からず時間だけが経ってしまい、中途半端または、一部の対策だけやっておしまいにされるケースがあります。

我が家はお金も少ないし、相続問題なんてないし、相続対策をするほどのものではない。

と、おっしゃる方がおられますが、そのようなご家族ほど時間がかかる場合があります。

親の分けたい方法と、ご家族のお考えが違う場合も多いです。

私の思いは、親が心身ともに元気なうちに、プロを交えて相続対策の話をしてほしいんです。

一般的に、母親よりも父親のほうが子供に対してはドライかもしれません。

つまり、父親の優先順位は子どもではなく父親自身だということです。

だからタイミングは、父親自身の心が満たされている時がベターです。

自身の心が満たされていない時に、自分が死んでからの話を子どもから持ち出されたら、いい気にはなれないかもしれません。

いつ父親の心が満たされているんでしょうか?

それはあなたが見極めるしかありません。そのために、折あるごとにコミュニケーションを取ることを心がけてください。

何を話したらいいのか分からない、ですよね。

まずは父親の話を傾聴することからです。

特に昔の若かった頃のお話、どんな仕事をし、どんな苦労をしたのか、功績を残したのか?

ご結婚の馴れ初め、これから何かしたいことはあるのか? 

父親に興味を持てばいくらでも聞きたいことが出てくるはずです。

そうそう、小さい時に何になりたかったのかも聞いてほしいですね。

高齢の父親が嬉しいことはなんだと思われますか?

それは子供たちが自分に関心を持って、自分の話を興味を持って聞いてくれることです。

父親の心が満たされていると感じたら、父親の財産のことで兄弟姉妹でもめたくないということを伝えるだけです。

くれぐれも焦らないようにね。