節税対策よりも大切のものって何?

お母さんはすでにお亡くなりになっています。

お父さんは80歳を超えてもお元気で、趣味の魚釣りや老人会のゲートボールなど日々楽しく生活されています。

ただ、持病の糖尿病があるのに、一人住まいのせいもありますが外食中心の生活が気になっています。

あなたは一人っ子なので父の財産は全て相続できます。

でも父の財産の一つに収益物件のマンションがあり、常に満室のようです。

意外と相続税が多くかかるかもしれない。

あわてたあなたは父に詰め寄り、節税対策の必要性を訴えますが一人住まいの父には響きません。

おまけに奥様にも、最近はお金の話しかしないあなたにあいそをつかしています。

お金はなぜこうも一部の人の心を狂わせてしまうんでしょうか?

私はビジネス向けのセミナーでは、目的と目標の違いについてよくお話をします。

相続対策も同じで、真の目的を見失って目標を目的と勘違いしてしまうと不幸な相続を迎えてしまいます。

あなたがそこまで節税にこだわるのはなぜですか?

もらえるはずの財産(お金)が減るのが嫌なんでしょうか?たとえ減ったとしても、あなたは自分で稼いだわけでもない相続財産をもらえる立場にいます。 

過去に経済的に厳しい経験をされたのかもしれません。それは、あなたのご家族も同じではありませんか。

ご自身や家族の将来に経済的不安があるのかもしれません。今現在の収入が不安定だからですか。

でも今のあなたの行動や言動は、節税という目標ばかりに意識を向けているため、奥様からの信頼も薄れ、ご夫婦の関係も危うくなっていることに気づいた方がいいかもしれません。

節税が成功して多くのお金を相続できればそれで満足ですか?

今の行動を押し通すなら、将来お父さんがお亡くなりになる前にご夫婦の危機が訪れないともいえません。

あなたの目的は、節税をすれば相続するお金が減らずに奥様が喜ばれると勝手に思われているだけかもしれませんね。もしそうなら、あなたの行動はあなたから奥様の気持ちを離れさせています。

奥様の望まれているお気持ち(奥様の目的)をよく傾聴し、あなたの節税への想い(あなたの目標)を伝える話し合いをしてください。

あなたが望まれているお父さんの財産は、今はまだお父さんのお金だということをくれぐれも忘れないように。

さらに言えば、「お父さんがここまで自分で築いてきた財産だから、心置き無く全て使い切って残りの人生を精一杯楽しんだらいい。」なんて言葉をかけてあげたら、お父さんはどんなふうに反応されるでしょうか。