親に相続の話をしたい時のツール、それは・・・
母の家系図を作りました。
相続相談をいただいた時に家族関係図を作りますが、その目的は誰が相続人なのかを特定させるためです。
もちろん私たち相続相談の専門家のヒアリングでは、相続人が誰かだけでなく、関係の濃い人のバックグラウンドまで家族関係図に落とし込みます。
それは、相続はお金の問題以外にも多くの相続問題が含まれていることがあり、むしろお金に絡んだこと以上にそちらの方が大事な場合があるからです。
相続相談における家族関係図は今回のテーマと外れるので、また違う機会にお話ししたいと思います。
今回、母の家系図を作って見えてきたものがあります。
それは、母の人生と自分のルーツです。
自分の親に相続の話をしにくいという言葉をよく聞きます。
遺言書を書いてほしいけれど、親のお金を当てにしていると思われたらいやだから言えない、という声も聞きます。
私の母は10人兄弟の4番目です(兄弟姉妹が多いのは知っていましたが、何番目かは知りませんでした)。
祖父は7人兄弟の3番目だと初めて知りました。
祖母は8人兄弟の4番目ということも初めて知りました。
なんと、祖父の2代上の先祖の生年月日は天保11年9月なんです。
社会の時間に習った「天保の大飢饉」1835年~1839年(諸説あります)の終息した翌年に生まれたんですよ。
もしも大飢饉の時に飢えを免れなかったとしたら、母は当然この世に存在しないし、私自身もここでこんなふうにブログを書いてはいないわけです。存在していないんだから。
ちなみに天保11年は、遠山金四郎(遠山の金さん)が町奉行に任命された年なんです。テレビの世界だけではなく、実在されてたんですね、驚きでした。(もちろん、私の祖先と遠山の金さんは何も関係はないと思います。)
これを作って母の誕生日にプレゼントしました。
エクセルで作り、A3用紙に出力し、額にはめて渡しました。すごく喜んでくれました。昔の話が次から次へと出てきて色々と懐かしがってくれたようです。
これを作るまでは、正直なところ母の人生にそれほど興味を持ちませんでした。親戚(母の兄弟姉妹)も多すぎて、どこの誰がどういう関係かを何度聞いてもよくわかりませんでした。
相続の話を切り出せるかどうかは、日常のコミュニケーションが取れていると切り出しやすくなるかもしれません。
少しの手間を惜しまなければご自身で簡単に作ることができます。チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
たつみ相続相談オフィス/辰巳博