遺書と遺言書、そして大切なのが付言事項!それ何?
遺言書ってご存知ですか?
自分が亡くなったあとに、自分の財産を残された家族でどのように分割するのかを書き残したものです。
時々、勘違いされる方がおられますが
遺書とは違います。
遺書は自殺などをする前に
家族などに当てた
感情を込めた最後のお手紙です。
遺言書を知らない人はいないと思うので
それじゃぁ
付言事項はご存知ですか?
例えば
父が亡くなって、遺言書を書いていることが分かりました。
その内容は
『妻に自宅を相続する。
賃貸住宅(マンション)は次男に相続する。
金融財産は妻・長男・次男の3人に3分の1づつ相続する。』
こんな内容の遺言書が残されていたら
ひょっとしたら長男から不満の声が出るかもしれません。
「なんであのマンションが弟一人のもんなんだよ。長男の俺を差し置いて、納得いかないね。」
と、仲の良かった兄弟に亀裂が入るかもしれません。
あれっ
遺言書の入っていた封筒にもう1枚、紙が入っています。
そこにはこう書いてありました。
「妻◯◯へ
今まで本当にありがとう。
私が会社を辞めて独立したいと言った時も、一言も理由を聞かず応援してくれましたね。
経済的に苦しい時もあった、毎日仕事で遅くなり子育ても任せっきりになっていた、でもあなたの献身的な支えがあったからこそ私は頑張ることが出来、事業も成功し少しばかりの蓄えも築くことができました。本当に感謝している。
自宅はあなたに譲り、金融資産の3分の1があれば老後は子どもたちの世話にならずとも暮らしていけると思います。
長男〇〇へ
マンションを次男に相続させることに、ひょっとしたら疑問に思っているかもしれません。
大学を卒業して、上場会社に就職し都会に出て出世している君は私の自慢の息子です。東京出身の嫁の実家の近くに家も建て孫たちもスクスクと育っています。
君が都会へ出たあとに、寂しがっていた母を見た次男は、自分の夢を諦めてこの土地に残り高校卒業後も自宅の近くに就職してくれました。マンションの管理運営も意外と大変で、それも次男が中心になってやってくれていました。マンションの土地は先祖代々の土地なので売ってほしくはありません。よってマンションは次男に譲ることにしました。どうか理解をしてほしい。
次男〇〇へ
マンションは管理運営をやってくれている君に譲ります。
気持ちの優しい君がそばにいてくれることで、妻も心丈夫だと思います。兄ももちろん母のことは気にかけてくれていると思いますが離れた場所に住んでいるため、これからも妻の力になっていってほしい。
最後に
兄弟二人に対する愛情に差はありません。
これからも兄弟仲良くやっていってほしい。そして母のことをよろしく頼みます。
このようなお手紙(付言事項)が添えられていたらどうでしょうか?
相続財産を公平に分けることは不可能です。
また
金額を当分に分けることが公平だとも限りません。
遺言書を書く時は
相続コンサルタントにご相談くださいね。